基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成21年 春期 基本情報技術者 午後 問07
問07   5問選択

 需要予測に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 精密機器を製造,販売している C 社では,製品在庫の削減と,欠品に伴う販売機会損失の低減を 目的として,製品の需要予測システムを構築することになった。

 担当となった D 君は,C 社製品の需要の特性及び需要予測システムへの要望を, 社内の関係部署からヒアリングすることにした。

〔ヒアリングの結果〕

 D 君が実施したヒアリングの結果は,次のとおりである。

(1) 製造工程の事情によって,製品の生産台数は月単位で計画し,需要の増減に対応しているので, 需要数量の予測も月単位で提供されることが望まれる。

(2) 月単位でみた需要の増減のパターンが,毎年繰り返される製品がある。

(3) 製品の世代交代などの影響で,需要が徐々に増えていく製品と,徐々に減っていく製品とがある。

(4) 上記の(2),(3) 以外の製品は,小幅な需要の増減が不規則に発生している。

(5) 製品のモデルチェンジのサイクルは 5 年から 10 年の間であり,新製品を除いて 時系列分析に必要な期間の需要実績データは保管されている。

設問1 需要予測システムに関する次の記述中の に 入れる最も適切な答えを,解答群の中から選べ。

 D 君は実施したヒアリングの結果から,C 社製品の需要予測には,過去の需要推移から 将来を予測する手法である時系列分析が適用できると考えた。需要予測のために必要と 考えたシステム機能は,次のとおりである。

@ 製品ごとの需要実績データに含まれる,需要の 傾向変動を把握して, 予測値に反映させる機能

A 製品ごとの需要実績データに含まれる,需要の 季節変動を把握して, 予測値に反映させる機能

B 製品ごとの需要実績データに含まれる, である不規則変動の 影響を取り除き,予測値を平準化させる機能

a,b に関する解答群 ア 増加と減少のパターンが1年ごとに繰り返される

イ 増加と減少のパターンが5か月ごとに繰り返される

ウ 増加と減少のパターンが不定期に繰り返される

エ 増加又は減少が間欠的に発生する

オ 長期的な増加又は減少が継続する

c に関する解答群 ア 傾向変動や季節変動では説明できない部分

イ 人為的な影響による需要の増減部分

ウ 定常的に発生する需要の部分

エ 天候や気象の影響による需要の増減部分

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 D 君は,システム機能が要望を満たしているか確認するため, 図に示す C 社製品の過去3年間の需要実績を基に,製品ごとに適用する予測手法の検討を行った。 製品 X,製品 Y,製品 Z の需要実績に適用すべき予測手法として適切な組合せを, 解答群の中から選べ。


     図 C 社製品の過去3年間の需要実績

解答群

 製品 X製品 Y 製品 Z
 ア  季節変動と不規則変動傾向変動と不規則変動不規則変動だけ
 イ  季節変動と不規則変動不規則変動だけ傾向変動と不規則変動
 ウ  傾向変動と不規則変動季節変動と不規則変動不規則変動だけ
 エ  傾向変動と不規則変動不規則変動だけ季節変動と不規則変動
 オ  不規則変動だけ季節変動と不規則変動傾向変動と不規則変動
解答 ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問3 D 君は,製品 Z の需要変動に対し,移動平均法と指数平滑法の二つの予測手法の適合度を, 実際のデータを使って調べることにした。 その結果に関する次の記述中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

     表 製品 Z の過去7か月の需要実績
2008 年
6 月7 月8 月 9 月10 月11 月12 月
需要実績 100 95 93  92 105 115 110

〔予測手法の製品 Z への適用の流れと結果〕

@ D 君は,2008 年 11 月までの実績データを用いて 2008 年 12 月の予測値を求め, 実際の 2008 年 12 月の実績値との適合性をチェックしてみた。

A 次の式で計算される移動平均法を,過去3か月の製品Zの需要実績について適用してみた。 その結果,移動平均法(過去3か月の需要実績を使用する場合)による 2008 年 12 月の予測値は, になった。

・2008 年 12 月の予測値(移動平均法)
 =(2008 年 9 月から 11 月までの各月の需要実績の総和)÷3

B 次の式で計算できる指数平滑法を用いて,指数 a を 0.6 として,製品 Z の 2008 年 12 月の予測値を求めると, となった。

・2008 年 12 月の予測値(指数平滑法)
 = a ×(2008 年 11 月の需要実績)+(1− a )×(2008 年 11 月の予測値)

 なお,指数平滑法で求めた 2008 年 11 月の予測値は 100 であった。

d,e に関する解答群

ア 98         イ 101         ウ 1041

エ 106         オ 109         カ 110

解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます


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