基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成24年 秋期 基本情報技術者 午後 問06
問06   5問選択

 データ管理に関する次の記述を読んで,設問1〜3に答えよ。

 大手の販売会社X社では,取引履歴などの大量のデータを一定期間保存するために, 約 1,000 本の磁気テープ(以下,テープという)を使用している。テープは, 電算センタ内のテープライブラリに保管してあり,システム部の運用課が管理している。 テープには固有番号を付け,台帳で管理している。

 テープは3か月ごとに棚卸しをして,台帳どおりの場所に実在していることを確認する。 棚卸しの手続の概要は,次のとおりである。

(1) 今回の棚卸実施日に存在すべきテープの本数(今回の棚卸本数)を,次の式で求める。

  今回の棚卸本数=前画の棚卸本数+追加した本数−廃棄した本数
          +搬入した本数−搬出した本数

 式中の各項の概要は,次のとおりである。

@ 追加した本数:新規に購入した本数。未使用テープ保管箱に保管する。

A 廃棄した本数:不要となって記録内容を消去して廃棄した本数。不要になったテープは, 使用済みテープ保管箱に保管しておき,不定期にまとめて記録内容を消去する。 消去が完了した時点で,廃棄した本数として計上する。

B 搬入した本数:社外の保管場所から受け入れた本数。例えば,外部保管業者に 保管を委託してあったテープを取り寄せた場合などがこれに該当する。

C 搬出した本数:社外の保管場所へ受け渡した本数。例えば,外部保管業者にテープの 保管を委託した場合などがこれに該当する。X社内の部門からの貸出し要求に基づく貸出しは, これに該当しない。

(2) 棚卸作業では,テープの固有番号を基に,テープライブラリ内で実際にテープの有無を 確認する。ただし,現在コンピュータ室で使用中又は社内部門に貸出中のものは, それぞれの現場に出向いて有無を確認する。

 X社の前日の棚卸結果報告書を図1に示す。また,前日の棚卸実施後, 今回の棚卸実施直前までのテープの移動状況を図2に示す。


       図1 前日の棚卸結果報告書


       図2 棚卸対象テープの移動状況

 図1,図2を基に,今回の棚卸しを実施した。現場でテープの有無を確認した結果, 調査部に貸し出した,機密情報を記録したテープ1本の所在が不明であった。それ以外の テープは,全て台帳どおりに実在していることが確認できた。これらの事業を基に, 今回の棚卸結果報告書を図3のようにまとめた。

 図3の棚卸結果報告書をシステム部長に提出した翌日に,所在不明であったテープ 1本がシステム部のヘルプデスクで発見された。この貸出しの申請者である調査部員が テープの取扱いに不慣れであったため,部門ファイルサーバへの複写をヘルプデスクに 電話で依頼した。複写した後,テープはヘルプデスクの施錠されたキャビネットに 置かれたままとなっていた。


      図3 今回の棚卸結果報告書

 テープは,媒体管理手続に基づいて貸し出され,貸出中のテープは申請者が 施錠保管することになっていた。また,テープに記録された機密情報の管理は,全社の 情報管理手続に従い,承認された部門の社員だけが複写を許可されている。 今回のケースでは,経理部と調査部が複写を許可されていた。

 運用課長は,この経緯の詳細を文書にまとめてシステム部長に報告した。報告を 受けたシステム部長は,運用課長に次のように指示した。

 “このような事故が再発しないように,貸出し後のテープの取扱いについて規定を設けて, 申請者に徹底すること。また,今回の件に限らず,図1〜3を見る限り,返却の手続が十分に 機能していないようだ。利用が終わったテープは速やかに返却することという今の 規定だけでは不十分で,例えば,@返却予定日を定めて適切な管理を実施するなどの 改善が必要ではないか。

 今回の所在不明の件での最大の問題は,機密情報保護の点でA根本的な問題を含んでいることだ。 貸出方式をやめて,例えば,電算センタで管理するサーバに特別のディレクトリを用意し, そこにテープのデータを複写して提供するなど,抜本的な対策を早急に検討してほしい。”

設問1 図3中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

a 〜 d に関する解答群

ア 0      イ 2      ウ 3      エ 5      オ 13

カ 14      キ 20      ク 25      ケ 28

e に関する解答群

ア 1028       イ 1034       ウ 1039

エ 1046       オ 1053       カ 1054

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 本文中の下線@について,実施すべき管理の内容として適切な答えを, 解答群の中から選べ。

解答群

ア 運用課が次回の棚卸日よりも後の日付で返却予定日を設定し,棚卸日に超過が発生しないようにする。

イ 運用課が返却予定日を管理し,超過した場合は申請者に再申請などの必要な処置をとらせる。

ウ 申請者に十分な余裕をもった返却予定日を設定させて,返却予定日の超過が発生しないようにする。

エ 申請者に返却予定日の管理を委ね,超過した場合は再申請などの必要な処置を自ら申請させる。

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設問3 本文中の下線Aについて,根本的な問題とは何を指しているか, 最も適切な答えを,解答群の中から選べ。

解答群

ア 調査部からの複写の依頼が,電子メールなどの文書ではなく電話で行われた。

イ 複写終了後に,申請者から運用課へ,複写の事後報告をしなかった。

ウ 複写終了後に,ヘルプデスク担当者から運用課へ,複写の事後報告をしなかった。

エ ヘルプデスク担当者が機密情報を複写し,テープを保管していた。

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