基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成25年 春期 基本情報技術者 午後 問13
問13   表計算

 次の表計算,ワークシート及びマクロの説明を読んで,設問1〜3に答えよ。

〔表計算の説明〕

A社は,製品コード PA1,PA2,PA3,AS1 の4種類の製品の生産計画を立案するために, 三つのワークシート “部品一覧”,“受注一覧”,“生産管理”を作成することにした。 各製品の生産計画の概要は次のとおりである。

(1) 各製品の生産に必要な部品とその個数は,図1のワークシート“部品一覧”の とおりであり,製品 AS1 の生産には,製品 PA1,PA2,PA3 を部品として用いる。 各部品は,生産着手時に投入され,着手した製品は全てその日のうちに完成する。

(2) PA1,PA2,PA3 は ,1日の生産基準数をあらかじめ設定しておき, これに翌日生産分の AS1 の部品として必要な個数を加えた値を生産数とする。

(3) 生産基準数は,1週間ごとに決定する。

(4) 生産基準数は,これを決定する週と翌週の2週間分の納品予定に基づき, 納品予定日の前日までに納品数を用意するとともに,一定の余裕をもった在庫数を 確保するように決定する。

(5) PA1,PA2,PA3 は,10 個単位で生産する。各製品の1日の生産数の上限は, 図1のワークシート“部品一覧”の最大生産数のとおりである。

(6) AS1 は,20 個単位で生産する。AS1 は,受注生産品であり,納品予定日の前日に, 翌日の納品に必要な最低限の個数を 20 個単位で生産する。ただし,1日の 最大生産数を超える受注は受け付けない。

(7) ワークシートの日付は,yyyy-mm-dd の形式で表示する。表計算ソフトの 内部では,1970 年1月1日を1とした経過日数を整数で保持している。

〔ワークシート:部品一覧〕

 ワークシート“部品一覧”には,各製品を生産するために必要な部品の個数と, 1日に生産可能な最大生産数を,図1のように格納してある。


    図1 ワークシート“部品一覧”

〔ワークシート:受注一覧〕

 ワークシート“受注一覧”には,受注データのデータベースから,生産基準数を 決定する週及びその翌週に納品予定日を迎えるデータを抽出し,受注日順に格納した後, 作業コードを付与する。ワークシート“受注一覧”の例を,図2に示す。


    図2 ワークシート“受注一覧”の例

(1) 抽出した2週間分のデータの件数は,最大でも 100 件を超えないものとする。

(2) セル F2 には次の式を入力し,セル F3〜F101 に複写する。

    結合(E2, C2)

〔ワークシート:生産管理〕

 ワークシート“生産管理”は,ワークシート“受注一覧”から各製品の納品数を 納品予定日ごとに集計する。また,各製品の生産基準数の設定値を変えることによって, 在庫や欠品状況などの生産管理に必要な情報のシミュレーションができる。 ワークシート“生産管理”の例を,図3に示す。


     図3 ワークシート“生産管理”の例

設問1 ワークシート“生産管理”に関する次の 記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

(1) セル B1 には,生産管理の開始日を,セル E1 には,開始日から数えて 14 日目の 日付を表示する式を入力し,この間を生産管理期間とする。また, セル A6〜A19 には,生産管理期間中の一連の日付を表示する式を入力する。

(2) セル B3,F3,J3,N3 には,製品コードを入力する。

(3) セル E5,I5,M5,P5 には,各製品の前週末の実際の在庫数を入力する。

(4) セル E22,I22,M22 には,製品 PA1,PA2,PA3 の生産基準数を, 最大生産数を超えない範囲で入力する。

(5) セル N6 には,納品予定日がセル A6 の日付の製品 AS1 の納品数を求める式を 入力し,セル N7〜N19 に複写する。

(6) セル B6 には,納品予定日がセル A6 の日付であり,製品コードがセル B3 の コードである製品の納品数を求める次の式を入力し,セル B7〜B19, セル F6〜F19,セル J6〜J19 に複写する。

     + $O6*水平照合(B$3, 部品一覧 ! $F$1 〜 $H$5, 5, 0)

(7) 列 D,列 H,列 L の生産数欄には,製品 PA1,PA2,PA3 の1日の 生産基準数 E22,I22,M22 に,翌日生産する製品 AS1 の部品として必要な個数を加えた値を 求める式を入力する。ただし,行 19 の生産数欄は, 1日の生産基準数だけが設定されるようにする。

(8) 列 C,列 G,列 K の納品後在庫欄には,前日の生産後在庫から当日の納品数を 減じた値を求める式を入力する。また,列 E,列 I,列 M の生産後在庫欄には, 当日の納品後在庫に生産数を加えた値を求める式を入力する。

(9) セル O6 には,製品 AS1 の当日の在庫数が翌日の納品数を満たすために 最低限必要な生産数を求める次の式を入力し,セル O7 〜 O19 に複写する。

    IF( )

(10) 列 P の在庫数欄には,前日の在庫数から当日の納品数を減じ,当日の生産数を 加えた値を求める式を入力する。

(11) セル B20,D20,F20,H20,J20,L20 の合計欄には,各列の合計, セル B21 〜 M21 の平均欄には,各列の平均を求める式を入力する。

(12) セル E23,I23,M23 の欠品日数には,各製品において納品後在庫が マイナスになった日数を求める式を入力する。

(13) セル E24 には,セル B3 の製品の生産基準数の設定値が,生産管理期間に おいて次の条件を全て満たすときに true,そうでないときに false を 表示する式 を入力し,セル I24,M24 に複写する。

〔条件〕

@ 欠品日数が0であること

A 余裕をもった在庫数を,セル B21 で求めた納品数平均の 80 %の値としたとき, 毎日の生産後在庫のうちで,その値に満たない日が1日もないこと

aに関する解答群

ア 条件付合計(受注一覧!$D$2 〜 $D$101,= B$3,受注一覧!$C$2 〜 $C$101)

イ 条件付合計(受注一覧!$D$2 〜 $D$101,= 結合($A6,B$3),受注一覧!$F$2 〜 $F$101)

ウ 条件付合計(受注一覧!$D$2 〜 $D$101,= 結合(B$3,$A6),受注一覧!$F$2 〜 $F$101)

エ 条件付合計(受注一覧!$E$2 〜 $E$101,= $A6,受注一覧 ! $D$2〜$D$101)

オ 条件付合計(受注一覧!$F$2 〜 $F$101,= 結合($A6,B$3),受注一覧!$D$2 〜 $D$101)

力 条件付合計(受注一覧!$F$2 〜 $F$101,= 結合(B$3,$A6),受注一覧!$D$2 〜 $D$101)

bに関する解答群

ア P5−N6<N7, 0, 切上げ((N7+N6−P5)/20, 0)*20

イ P5−N6<N7, 0, 整数部((N7+N6−P5)/20)*20

ウ P5−N6<N7, 切上げ(N7+N6−P5,−1), 0

エ P5−N6≧N7, 0, 切上げ((N7+N6−P5)/20,0)*20

オ P5−N6≧N7, 0, 整数部((N7+N6−P5)/20)*20

カ P5−N6≧N7, 切上げ(N7+N6−P5,−1), 0

cに関する解答群

ア 論理積(E23=0, 条件付個数(E6 〜 E19, >B21*0.8)=0)

イ 論理積(E23=0, 条件付個数(E6 〜 E19, <B21*0.8)=0)

ウ 論理積(E23>0, 条件付個数(E6 〜 E19, >B21*0.8)=0)

エ 論理和(E23=0, 条件付個数(E6 〜 E19, <B21*0.8)=0)

オ 論理和(E23>0, 条件付個数(E6 〜 E19, <B21*0.8)=0)

力 論理和(E23>0, 条件付個数(E6 〜 E19, >B21*O.8)=0)

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 ワークシート“生産管理”において,セル E24,I24,M24 の値が true となる 最小の生産基準数を,セル E22,I22,M22 に求めるマクロ Product_sim を作成し, ワークシート“生産管理”に格納した。 マクロ Product_sim 中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

〔マクロの説明〕

(1) 製品 PA1 の生産基準数を求めるために,セル E22 の値を0から 生産単位ずつ増加させる処理を,セル E24 の値が true になるまで繰り返す。ここで, もし生産基準数がワークシート“部品一覧”で示した各製品の最大生産数を超えても, セル E24 の条件が成立しない場合は,セル E22 に−99 を代入して, PA1 の生産基準数を求める繰返し処理を終了する。

(2) 製品 PA2,PA3 の生産基準数を求めるために,(1) でセル E22 に対して行った処理と 同様の処理を,セル I22,セル M22 でも実行する。

〔マクロ:Product_sim〕

d,f に関する解答群

ア 相対(A22, 0, i) < 相対(部品一覧 ! I1, i * 4, 0)

イ 相対(A22, 0, i) > 相対(部品一覧 ! I1, i * 4, 0)

ウ 相対(A22, 0, i * 4) < 相対(部品一覧 ! I1, i, 0)

エ 相対(A22, 0, i * 4) > 相対(部品一覧 ! I1, i, 0)

オ 論理積(相対(A24, 0, i * 4) = false, sw = 0)

力 論理積(相対(E24, 0, i) = false, sw = 1)

キ 論理和(相対(A24, 0, i * 4) = false, sw = 0)

ク 論理和(相対(E24, 0, i) = false, sw = 1)

e に関する解答群

ア i ← i + 1

イ i ← i + 4

ウ 相対(A22, 0, 4) ← 0

エ 相対(A22, 0, i * 4) ← 0

オ 相対(A22, 0, i * 4) ← 相対(A22, 0, i * 4) + 1

カ 相対(A22, 0, i * 4) ← 相対(A22, 0, i * 4) + 10

キ 相対(E22, 0, i) ← 相対(E22, 0, i) + 1

ク 相対(E22, 0, i) ← 相対(E22, 0, i) + 10

解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます

解答 f ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問3 A社では,部品の仕入計画を立案するために,ワークシート “生産管理”でマクロ Product_sim を実行して求めた生産数を基に, 1週間の生産に必要な部品数を求めるワークシート“部品需要”を図4の例のように作成した。 ワークシート“部品需要”に関する次の記述中の に 入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

 なお,記述中の網掛け部分には,同じ式が入るが,表示していない。

〔ワークシート:部品需要〕

(1) セル A2 には,部品の需要数を求める期間の開始日を入力する。

(2) 部品需要表の列 A の日付は,セル A2 の日付を初日とした1週間分とし, 日付ごとの列 B に製品 PA1,PA2,PA3 の欄を用意する。

(3) セル C5 には,必要な部品数を求める式を入力する。ここで, ワークシート“生産管理”から当該日(セル A5 の日付)の 当該製品(セル B5 の製品コード)の生産数を参照する式は, 垂直照合($A5,生産管理!$A$6 〜 $M$19, , 0)である。

 また,ワークシート“部品一覧”から当該製品を1個生産するために必要な 当該部品(セル C4 の部品名)の数を参照する式は, である。 そこで,セル C5 には,次の式を入力し,セル C5 〜 F25 に複写する。

  垂直照合($A5, 生産管理 ! $A$6〜$M$19, , 0)*

(4) セル C26 〜 F26 には,各列の部品の1週間の必要数合計を求める式を入力する。


     図4 ワークシート“部品需要”の例

g に関する解答群

ア 照合一致($B5, 生産管理 ! $A$3 〜 $M$3, 0)

イ 照合一致($B5, 生産管理 ! $B$3 〜 $J$3, 0)+3

ウ 照合一致($B5, 部品一覧 ! $A$1 〜 $A$4, 0)*4

エ 照合検索($B5, $B$5 〜 $B$7, 生産管理 ! $B$3 〜 $J$3)

オ 照合検索($B5, 生産管理 ! $A$3 〜 $M$3, 生産管理 ! $A6 〜 $M6)

力 水平照合($B5, 生産管理 ! $B$3 〜 $J$3, 1, 0)

キ 水平照合($B5, 生産管理 ! $A$3 〜 $M$19, 4 ,0)

解答 g ←クリックすると正解が表示されます


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