基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成14年 秋期 基本情報技術者 午後 問10
問10   C言語

〔プログラムの説明〕

 画面上に凸四角形を描く関数 DrawRect を作成した。 関数 DrawRect は,次の大域変数を参照して動作する。

int Vx[4], Vy[4]; /* 4 頂点の座標値配列(Vx は x 座標, Vy は y 座標) */

 ただし,第1頂点P1 から第3頂点P3 までは,画面上で時計回りになっており, その座標値は順番に Vx と Vy に格納されている。 画面上の座標系と原点の位置を図1に示す。

    図1 画面上の座標系と原点の位置

 第1頂点 P1 から第4頂点 P4 までは折れ線で結び, 次に第4頂点 P4 の位置を検査し,凸四角形になる場合には P4 とP1 を 結ぶ線分を描画して,返却値0を返す。 4頂点を結ぶ図形が,凸四角形ではなく,図2 に示すような図形となる場合には, P4 とP1 を結ぶ線分を描かずに,返却値−1 を返す。

    図2 凸四角形でない図形の例

なお,線分を引くために,次の二つの関数が用意されている。

void gMoveTo(int sx, int sy);

機能:線分の始点座標 ( sx, sy ) を設定する。この関数は描画を行わない。

void gLineTo(int ex, int ey);

機能:現在の始点から ( ex, ey ) まで線分を描き, 次の描画のために始点を ( ex, ey ) に更新する。

〔プログラム〕

void gMoveTo(int, int);
void gLineTo(int, int);
int  nCheck(double a)
{
     if      (a > 0.0)  return  1;
     else if (a < 0.0)  return  -1;
     return  0;
}
int  DrawRect( )
{
    int    nCnt;
    double dx, dy, k;
    int    nSide0, nSide1, nSide2;
    for (nCnt = 0; nCnt < 4; nCnt++)  {
        if      (nCnt == 0)   gMoveTo(Vx[nCnt], Vy[nCnt]); 
        else if (nCnt <  3)   gLineTo(Vx[nCnt], Vy[nCnt]);
        else    {
                gLineTo(Vx[nCnt], Vy[nCnt]);
                /* P3 と P4 を通る直線の方程式を求める。 */
                dx = Vx[3] - Vx[2];
                dy = Vy[3] - Vy[2];
                k  = dx * Vy[2] - dy * Vx[2];
                /* 第1の判定 */
                nSide0 = nCheck(dy * Vx[0] - dx * Vy[0] + k);
                nSide1 = nCheck(dy * Vx[1] - dx * Vy[1] + k);
                if (nSide0 != nSide1)  return -1;
                /* P4 と P1 を通る直線の方程式を求める。 */
                dx = Vx[0] - Vx[3];
                dy = Vy[0] - Vy[3];
                k  = dx * Vy[3] - dy * Vx[3];
                /* 第2の判定 */
                nSide1 = nCheck(dy * Vx[1] - dx * Vy[1] + k);
                nSide2 = nCheck(dy * Vx[2] - dx * Vy[2] + k);
                if (nSide1 != nSide2)  return -1;
                /* P3 と P1 を通る直線の方程式を求める。 */
                dx = Vx[0] - Vx[2];
                dy = Vy[0] - Vy[2];
                k  = dx * Vy[2] -  dy * Vx[2];
                /* 第3の判定 */
                nSide1 = nCheck(dy * Vx[1] - dx * Vy[1] + k);
                nSide2 = nCheck(dy * Vx[3] - dx * Vy[3] + k);
                if (nSide1 * nSide2 != -1)  return -1;
        }
    }
    gLineTo(Vx[0], Vy[0]); 
    return 0;
}

基本情報技術者試験


設問1 関数 DrawRect は,描く図形が凸四角形かどうか調べるため, 直線の方程式を利用して辺の交差を判定している。 この処理に関する次の記述中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。 ただし,L12 は,第1頂点 P1 と,第2頂点 P2 を結ぶ線分を表す。

2 点 P3 (x3,y3),P4 (x4, y4) を通る直線の方程式を求める。 この方程式は。  (x4 − x3)( y − y3) = (y4 − y3)( x − x3)

と表すことができる。 P4 と P3 の x 座標の差を dx, y 座標の差を dy とすると,。

dx = Vx[3] − Vx[2]

dy = Vy[3] − Vy[2]

である。この値を方程式に代入すると,  dx( y − y3) = dy( x − x3)

となる。この式を展開すると,

dx × y − dx × y3 = dy × x − dy × x3

となる。ここで,定数をまとめて k とすると,直線の方程式は,

dy × x − dx × y + k = 0

と表すことができる。

定数 k は, x y の座標値を代入すれば求めることができるので,求める直線の方程式は, = 0 となる。

凸四角形になるためには,P3 と P4 を通る直線と,線分 L12 が交差してはならない。 この交差を判定するため, x y に,P1 と P2 の座標値を代入し,計算結果の を比較して判定する。

a,c に関する解答群

ア 第1頂点 P1    イ 第2頂点 P2    ウ 第3頂点 P3

エ 絶対値      オ 符号

b に関する解答群

ア dx × x ? dy × y + dx × Vy[2] ? dy × Vx[2]

イ dx × x ? dy × y + dy × Vy[2] ? dx × Vx[2]

ウ dy × x ? dx × y + dx × Vy[2] ? dy × Vx[2]

エ dy × x ? dx × y + dy × Vx[2] ? dx × Vy[2]

オ dy × x ? dx × y + dy × Vy[2] ? dx × Vx[2]

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 このプログラムは,描く図形が凸四角形になるかどうかを判定するため, 三つの判定を順番に行っている。 この判定のアルゴリズムに関する次の記述中の に入れる正しい答えを,解答群の中から選べ。

(第1の判定)

のような図形を無効にするため, P3 と P4 を通る直線の方程式を求めて,P1 と P2 の位置を検査する。

(第2の判定)

のような図形を無効にするため,P4 と P1 を通る直線の方程式を求めて, P2 と P3 の位置を検査する。

(第3の判定)

のような図形を無効にするため, P3 と P1 を通る直線の方程式を求めて,P2 と P4 の位置を検査する。

解答群

ア    イ 

ウ     エ 

解答 d ←クリックすると正解が表示されます

解答 e ←クリックすると正解が表示されます

解答 f ←クリックすると正解が表示されます

解答 g ←クリックすると正解が表示されます

(f、g順不同)


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