基本情報技術者試験の過去問と解説
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平成15年 秋期 基本情報技術者 午後 問02
問02   通信ネットワーク

 通信ネットワークに関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。

 アナログ信号をディジタル信号に符号化する技術に,パルス符号変調方式がある。

この変調方式では,まずアナログ信号の波形を一定の時間間隔で取得する(標本化)。 次に,標本化したアナログ値をディジタル値に変換(量子化)し,2進符号に置き換え (符号化),この符号化ビット列をディジタル信号として送信する。

 標本化の時間間隔が短く,符号化のけた数が大きいほど,復調時に元のアナログ信号を より忠実に復元することができる。

基本情報技術者試験


設問1 電話音声をパルス符号変調方式で伝送する。 次の記述中の に入れる正しい答えを, 解答群の中から選べ。

 電話の音声帯域(音声周波数の範囲)が 0.3 〜 3.4 kHz であることから, 余裕をみて最高周波数を 4 kHz とする。 標本化定理(シャノンの定理)(1) によると, Hz 以上の周波数 (1) で 標本化して伝送すればよいことになる。 Hz で標本化するときの時間間隔は, 秒となる。 一つの標本の符号化に用いるビット数を 8 ビットとすると, ビット/秒の伝送速度が必要となる。

注 (1) 対象とするアナログ信号の最高周波数を f とすると, 2f 以上の周波数で標本化すればよい。 すなわち,次式の関係を満たす必要がある。

 ここで,T は標本化の時間間隔(秒), f は最高周波数(Hz)

 (2) 1秒当たりの標本化の回数

a に関する解答群

ア 4     イ 8     ウ 16

エ 4 k    オ 8 k    カ 16 k

キ 4 M    ク 8 M    ケ 16 M

b に関する解答群

ア 1.25 × 10−7        イ 2.5× 10−7     ウ 5.0× 10−7

エ 1.25 × 10−4     オ 2.5× 10−4     カ 5.0× 10−4

キ 5.0 × 10−3     ク 2.5× 10−2     ケ 1.25 × 10−1

c に関する解答群

ア 32     イ 64     ウ 128

エ 32 k    オ 64 k    カ 128 k

キ 32 M    ク 64 M    ケ 128 M

解答 a ←クリックすると正解が表示されます

解答 b ←クリックすると正解が表示されます

解答 c ←クリックすると正解が表示されます

基本情報技術者試験


設問2 電話の場合,通話ごとに電話回線を用意していては費用がかかるので, 基幹の伝送路では複数の回線を束ねて伝送する。 このように1本の伝送路上に複数の通信回線を束ねることを多重化という。 ディジタル伝送の多重化方式として,TDM(時分割多重化)方式がある。 これは,各回線に対して,標本化1回分の符号化ビット列を送る時間を順番に割り当てて, 複数回線のディジタル信号をまとめ(フレーム化),1本の伝送路上にフレームを 順番に送り出す方式である。 設問1 の音声伝送に対して,30 回線を TDM 方式によって多重化して伝送するとき, 必要最小限の伝送速度( k ビット/秒)として正しい答えを,解答群の中から選べ。

 なお,1 フレームは,30 回線の標本化1回分の符号化ビット列(各8ビット)と, フレーム同期パルス (3) などの 16 ビット (図中の S と E を合わせた部分)で構成される。

 注 (3) 同期をとるために付ける制御用ビットパターン

図  1フレームの構成(T:標本化の時間間隔)

解答群

ア 720     イ 832     ウ 1,088

エ 1,792    オ 1,984    カ 2,048

キ 3,712    ク 3,968    ケ 5,760

解答 ←クリックすると正解が表示されます

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