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平成23年 春期 基本情報技術者 午後 問02
問02 5問選択CPU の割当て方式に関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。 オペレーティングシステムの役割の一つとして,プロセスに CPU を割り当てることがある。 そして,プロセスの実行順序を決定する方式には,次のようなものがある。 (1) 到着順方式 到着順にプロセスを待ち行列の末尾に登録する。実行中のプロセスが終了すると, 待ち行列の先頭からプロセスを一つ取り出して実行を開始する。 到着順方式を図1に示す。待ち行列に登録されているプロセスの状態を実行可能状態, 実行中のプロセスの状態を実行状態と呼ぶ。 ![]() 図1 到着順方式 到着順にプロセスを待ち行列の末尾に登録する。実行中のプロセスが終了すると, 待ち行列の先頭からプロセスを一つ取り出して実行を開始する。 また,実行中のプロセスが一定時間(以下,タイムクウォンタムという)を経過したら,実行を中断して, 待ち行列の末尾に再登録し,待ち行列の先頭からプロセスを一つ取り出して実行を開始する。 ラウンドロビン方式を図2に示す。 ![]() 図2 ラウンドロビン方式 これらの方式の効率を示す指標としてターンアラウンドタイムがある。 ここで,ターンアラウンドタイムとは,プロセスが待ち行列に到着してから実行が終了するまでの時間 であり,プロセスの実行順序に影響される。 なお,このコンピュータシステムの CPU は一つであり,CPU は同時に一つのプロセスしか実行できない。
設問1 次の記群中の 四つのプロセス A 〜 D があり,各プロセスの到着時刻と処理時間を表1に示す。 表1において,到着時刻とは,プロセス A が待ち行列に到着した時刻を 0 としたときの各プロセスが 到着する時刻であり,処理時間とは,各プロセスの処理が完了するために必要な CPU の処理時間である。
このとき,到着順方式におけるターンアラウンドタイムの平均は なお,プロセスの登録と取出し,及び中断の処理でのオーバヘッドは考えない。 また,CPU を割り当てられたプロセスは,タイムクウォンタム以外で中断することはない。 解答群
エ 192.5 オ 242.5
設問2 次の記述中の プロセスの実行順序を決める別の方式に優先度順方式がある。優先度順方式の例を図3に示す。 プロセスにはあらかじめ優先度が付けてあり,待ち行列は優先度ごとに用意してある。ここで, 優先度は 1 〜 10 の 10 種類で,値の大きい方が優先度は高い。 ![]() 図3 優先度順方式の例 @ プロセスを優先度に対応した待ち行列の末尾に登録する。 A プロセスが登録されている優先度の最も高い待ち行列の先頭からプロセスを一つ取り出して実行を開始する。 B 実行中のプロセスの優先度が2以上のとき,実行時間が 20 ミリ秒経過するごとに優先度を一つ下げる。 優先度を下げた結果,実行中のプロセスの優先度が実行可能状態にある優先度の 最も高いプロセスよりも低くなった場合,実行中のプロセスを中断して,@に戻る。 C 実行中のプロセスが終了した場合,Aに戻る。
優先度順方式において,あるプロセスが終了した時点で表2に示す三つのプロセスだけが優先度に
対応した待ち行列に登録されていたとする。このとき,三つのプロセスが
終了する順番は なお,プロセスの登録と取出し,及び中断の処理でのオーバヘッドは考えない。 また,CPU を割り当てられたプロセスは,タイムクウォンタム以外で中断することはない。 表2 プロセスの処理時間と優先度の初期状態
c に関する解答群
オ C, A, B カ C, B, A d に関する解答群
オ 5 カ 6
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