平成28年 春期 基本情報技術者 午後 問07
問07 4問選択販売データの分析に関する記述を読んで,設問1,2に答えよ。 B社は,洋菓子を店舗販売する小売店である。B社は,来期の事業方針として, 顧客が自社の商品を繰り返し購入する回数を増やすことによって,売上を増加させることを考えた。 そのために,効果的な販売促進活動につなげることを目的として, 既に導入している ID-POS を利用して,顧客一人一人の購買履歴を分析した。 ID-POSは,各顧客に顧客 ID を設定し,顧客 ID とその顧客の商品の購買履歴を管理するシステムであり, 誰が,いつ,何を,幾つ購入したのかが分かる仕組みである。
B社は,ID-POS の購買履歴を活用し,ある商品カテゴリーを対象に,商品を 購入した顧客と,その顧客が同じ商品を再び購入する傾向にあるかどうかの分析を行った。 分析の方法として,購入人数と延べ購入回数からリピート率を算出した。 購入人数は,対象期間中に同一顧客が複数回購入したときも1人としてカウントした場合の人数であり, 延べ購入回数は,顧客が購入した延べの回数である。 例えば,ある対象期間中に5回購入した顧客が2人,3回購入した顧客が1人, 1回だけ購入した顧客が3人いた場合,購入人数は6人,延べ購入回数は 16 回 となる(図1参照)。
図1 購入人数と延べ購入回数の説明 ここで, リピート率の算出式は, リピート率=(延べ購入回数 − 購入人数)÷ 延べ購入回数× 100 とする。リピート率は,延べ購入回数に対して, 2回日以降の延べ購入回数(= 延べ購入回数 − 購入人数)の割合を示す指標である。 図1の例では,延べ購入回数が 16 回であり,2回目以降の延べ購入回数は図2に示すように 10 回であるので,リピート率は 62.5 % となる。
図2 2回日以降の延べ購入回数の説明 B社の商品のうちで日常的に販売されている商品 S 〜 X について,顧客は, 1回の購入で平均して同一商品を2個購入している。また,限られた一部の顧客だけが 購入を繰り返すというような購入回数の大きな偏りはなかった。各商品の購入人数と 延べ購入回数,売上金額は表1のとおりである。
これらの商品の購買履歴の分析を行うために,図3のバブルチャートを作成した。 ここで,バブルの大きさは,売上金額を表す。
図3 購買履歴の分析結果 今回分析した商品の中で,商品 V は,購入人数が多くリピート率も高いことから, 商品 V を繰り返し購入してくれる顧客が多いと考えられる。 商品 は,購入人数は多いが,リピート率が低いので, 商品そのものに魅力がないと考えられ,売上を増加させるためには, 必要がある。 商品 は,購入人数は少ないが,リピート率が高いので, 限られた顧客に人気が高い商品と考えられる。したがって,試食会を開催するなどして, ことによって , 売上の増加が見込まれる。 a,b に関する解答群 c,d に関する解答群 イ 商品の素材や味を見直す ウ 商品の認知度を高める エ より価格が高い商品を勧める e に関する解答群 ウ 来店客数が増えれば エ リピート率が上がれば
B社では,広告を行って新規顧客を開拓し,その新規顧客にも繰り返し購入してもらうことで 売上の増加を図る計画を立て,商品Uについて効果を見積もってみた。費用と効果の見積りを表2に示す。 商品 U の価格は 300 円,1回の購入で商品 U を平均2個購入するものとする。 また,効果見積りは,過去1年間の実績値に対する値とする。 ここで,効果額は,売上金額の増加額から広告費用を引いた額とする。投資効果は, 広告費用に対する効果額の割合であり,その割合が1よりも大きければ, 投資効果があると評価する。
この施策によって,商品Uの となる。したがって,この施策は, 商品 U に関しては すると考えられる。 f に関する解答群 イ 売上金額は 1,412 千円となり,効果額は -968 千円 ウ 売上金額は 2,439 千円となり,効果額は 60 千円 エ 売上金額は 2,823 千円となり,効果額は 444 千円 g に関する解答群 イ 投資効果はないが,リピート率は向上 ウ 投資効果はあり,リピート率も向上 エ 投資効果はなく,リピート率も低下
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